# 〇4. 税金とは何か > [!example] NOTICE > - この記事は、「一般人が大枠を理解するための補助」というニュアンスで作成されています。 > 大枠の正確性には努めていますが、細かい部分で正確な税務用語ではない等の可能性があります。 > 例えば、「お金が入ってくること=収益」と表現しています。 > 正確な知識は、税務署や税理士など専門の方に確認してください。 > > ## [税金とは何か] 税金とは、国の収益です。 この収益を活動資金として、社会の様々なシステムを運営しています。 一般人目線だと、"日本という国のサービスを利用するための手数料"と考えると分かりやすいです。 > [!quote] > 1. 生活とインフラ > > - 蛇口から飲めるレベルのきれいな水が出る > 浄水場から家庭までの水道管ネットワークの維持管理。 > > - ゴミを出したら回収される > ゴミ収集システムと焼却施設の稼働。 > > - 徒歩/自転車/車 で安全に移動できる > 平坦なアスファルトの道路、トンネルや橋の整備。 > --- > 2. 安全と信用 > > - 良好な治安 > 警察などの連携による治安維持システム。 > > - ルールの適用 > 法的に解決できる「裁判所・法律」の運用。 > > - 経済活動のバックアップ > 「1円は1円の価値がある」「1キログラムはどこで量っても1キログラムである」というような、社会の根底の維持。 > (※これがしっかりしていないと、「仕事をしても真っ当な収益が発生しない」など、経済が成り立たない) > --- > 3. 防災と衛生 > > - 公衆衛生と食品安全 > スーパーに並ぶ肉や魚が安全であるための検査体制や、感染症対策。 > (※世界ではこの対応が十分でない国が現代でもあります。) > > - 気象観測と災害予測 > 常に気象衛星やレーダーを稼働させ、台風や地震の情報をいち早く届けるシステム。 > > - 消防と救急 > 万が一の火災や急病の際に、無料で専門家が駆けつけてくれるセーフティネット。 > --- > 4. 教育と安定 > > - 義務教育システム > 誰もが文字を読み、計算ができ、最低限の社会ルールを理解できる「共通の土台」を作る。 > > - 社会保障(セーフティネット) > 生活保護などの仕組みがあることで、極端な貧困による治安の悪化(スラム化など)を防ぎ、社会全体の安定を保つ。 税金がなければ、上記のようなものの運営が十分にできなくなります。 また、具体的なものだけではなくて、雰囲気のような抽象的なものも含まれると考えます。 例えば、職務に当たる公務員には『一定のモラル、公平性、コンプライアンス』が求められるという前提があると思います。(※個々人による程度の差はあります) --- ## [税金の基本ルール] 税金は原則として発生した収益に対して%で発生します。 > [!quote] > 例1)収益が100万円に対して、20%の税金が発生する。 > > - 100万円×20%=20万円 > →20万円の税金が発生する。 > ⇩ > 収益100万円-20万円の税金=80万円 > →80万円が手元に残る金額 > --- > 例2)収益が0円に対して、20%の税金が発生する。 > > - 0円×20%=0円 > →0円の税金が発生する。 つまり、税金が徴収されることによってマイナスになることは基本的にないということです。 ### 【税金の徴収によってマイナスになるケース】 理論的にマイナスになっているわけではないですが、全体像の理解をしていないと支払う現金がないという事態に陥ることがあります。 > [!quote] > 1. タイムラグによる徴収 > 税金の中には、「去年の収益」をベースに「今年」請求されるものがあります。(住民税など) > > インターネットが発達しておらず、個人が税金の知識にアクセスしにくかった時代には、大きく発生した収益を「すべて自分の手元に残るお金だ」と解釈して使い切ってしまい、翌年の高額な税金請求に対して「借り入れをして支払う」というケースが頻発していました。 > (※全体像の理解をしていないと現在でも起こり得ます) > --- > 2. 資産に対する課税 > 現在の収入が0円でも、持っている「資産の価値」に対して%が掛かるため、マイナスになるケース。 > 税金は現金だけでなく、受け取った物や、所有する資産の「価値」を換算したものも対象となります。 > > -固定資産税や自動車税:収入がなくても、所有しているだけで毎年発生します。 > -相続税 :親から「現金」ではなく「価値の高い土地や家」だけを相続した場合、高額な税金だけが掛かり、払う現金がないため借入をしたり土地を手放したりするケースがあります。 > (※東京都心部などでは一般的な持ち家でも、相続した結果、数十万円〜数百万単位の納付を求められるということがあるようです。) > --- > 3. (※事業者向け)消費税分の金額の不足 > 事業者は消費税として国に納める分を計算して価格を設定します。この消費税分を事業の運転資金として使用していった結果、納税時に支払えなくなるというケースです。 > (※これに関係する実態は、組織の規模などによってもニュアンスが異なると思います。) #### ≪ 簡易計算 ≫ 税金の計算は複雑に見えますが、整理すると簡単な計算式で表すことができます。 例えば、税金が20%かかる場合、手元に残るのは80%です。 そのため、 1. 「100万円 × 20% = 20万円の税金」 2. 「100万円 − 20万円 = 80万円の手取り」 と2回計算しなくても、「収益 × 0.8」をすれば、手元に残る金額が算出できます。 (※80%=0.8) > [!quote] > 例)日本の株式投資の利益にかかる税金(20.315%) > > - 100% − 20.315% = 79.685%(0.79685) > ⇩ > つまり、「収益 × 0.79685」が純粋な利益です。 基本的な算数ですが、多様なことに応用できるので覚えておいた方が良いと思います。 > [!example] NOTICE > - 確定申告時など、正確な税額を算出する場合は、正しい手順で行わなければいけません。 --- ## [控除とは何か] 税金の話では、控除という言葉が必ず出てきます。(こうじょ) 控除は日本語の意味としては"引く"です。 それ以外に深い意味はないと思われます。 税金の話における「控除」とは、条件を満たすと、収益から一定の金額を引くことができる制度のことです。 > [!quote] > #### ≪ 収益が500万円、税率が20%の場合 ≫ > > - 控除がない場合 > > 500万円×20%=100万円 > →100万円の税金が発生する。 > ⇩ > 500万円-100万円=400万円 > →400万円が手元に残る金額 > --- > - 50万円の控除が適用できる場合 > > **450万**×20%=90万円 > →90万円の税金が発生する。 > ⇩ > 500万円-90万円=410万円 > →410万円が手元に残る金額(手元に残る金額に10万円の違いが発生している。) > --- > > ※正確な税務では、入ってきた収益から「必要経費」を引いて「所得」を算出し、そこから控除を適用します。 控除は「割引オプション」と考えると分かりやすいです。 実際に計算する際も、控除を最初から織り込んで計算するのではなくて、「割引オプション」のニュアンスのイメージで、 「本来はこれくらいかかるものが控除を適用する事によってこれだけ低くなる」という考え方をしていくと、税についての理解が深まります。 特に、法人でビジネスを行うにあたってはこの視点は重要だと考えます。 #### ≪ 控除の解釈 ≫ 「控除を割引オプションとして捉える」、とした場合、以下のような観点についても理解が深まるのではないかと考えます。 - 政治の手段としての控除 国が経済的な理由で、「この産業を伸ばしたい」「賃上げをしてほしい」「家を買ってほしい」などと考えたとき、直接お金を配る(補助金)よりも、「この行動をとったら税金の割引オプション(控除)を与えます」とする方が、システムとして効率が良いと推測されます。 - 節税と控除 「節税」というと、細かく切り詰めるようなイメージや、裏技を使うようなイメージになりがちではないかと思います。「控除が割引オプションである」という解釈で俯瞰していくと、より立体的な見方ができます。また、節税が、国の方針とセットで提供されていることも多く、全体のルート感が見えてきやすいという面もあります。 ### 【控除の種類】 控除は自動的に適用されるものと、任意で適用するものの2種類があります。 以下が一例です。 #### ≪ 自動適用される控除 ≫ - 基礎控除(きそこうじょ) すべての人に与えられる、ベースとなるものです。 - 給与所得控除(きゅうよしょとくこうじょ) 給与を受け取る会社員に自動で適用されるものです。 #### ≪ 任意で適用する控除(自己申告) ≫ - 医療費控除 (いりょうひこうじょ) 一定金額以上の医療費があることで適用が可能になります。通院履歴や領収書が必要ですが、最近はマイナンバーと連携してこれらの情報が取得しやすくなっています。 - 寄付金控除(きふきんこうじょ) 指定の自治体に寄付をした場合に使えるものです。証明書が必要だったり、一定の条件があります。 - 扶養控除 / 配偶者控除(ふよう/はいぐうしゃこうじょ) どちらも一定の条件が必要で、変更があった場合は更新の申請が必要です。 --- ## [税金の管理区分] 税金は国が一括で管理しているわけではありません。 国と地方で区分が分かれています。 > [!quote] > - 国税 > →日本という国が管理、徴収します。(例:所得税、法人税など) > 日本に住んでいる人全員が納めます。 > > - 地方税 > →都道府県や市区町村が管理、徴収します。(例:住民税、固定資産税など) > 自分が住んでいる自治体に納めます。 「税金」と一括りで表現されがちですが、明確に分かれています。 #### ≪ 税金に関する問い合わせ先 ≫ 何か疑問があった時に、一般人からすると、とりあえず「税務署」に行けばいいと考えてしまいがちではないかと思います。 しかし、税務署は国の管轄になります。 そのため、税務署に地方税の質問をしに行っても、回答がもらえない事があります。 税務署職員は、「知識としては十分に理解している可能性があるが、管轄が違うため回答できない」というような状態です。 自分の疑問が「国税の管轄」か「地方税の管轄」かというのを事前にチェックすることが大事です。 地方税については、 1. 市区町村の窓口(市役所・区役所・町村役場) 2. 都道府県の窓口(県税事務所・都税事務所など) とさらに分かれています。 一般個人であれば、市区町村の窓口で解決する内容であることがほとんどだと思いますが、 事業を行っている人(法人や個人事業主)の場合は、都道府県の窓口で確認しなければいけないこともあるようです。 昨今はインターネット上の情報が充実していて、一般的な疑問であればWebサイトの閲覧で解決するケースも多くなっていると思います。 #### ≪ 税理士 ≫ 税理士とは、税に関する業務を行う国家資格です。 税理士は国税と地方税の両方が管轄です。 「税務署や市区町村の窓口などで行う一般的な質問」で解決しない込み入った状態であるときは税理士に依頼するのがいいかもしれません。 > [!quote] > ※税理士法という法律があり、例えば、税理士資格を持たない者が以下の行為を行うことが禁止されています。 > > 1. 税務代理 > 税務作業を納税者に代わって行うこと。 > > 2. 税務書類の作成 > 公式な税務書類を納税者に代わって作成すること。 > > 3. 税務相談 > 税に関する具体的な相談を受けること。 - 知人間での税務相談の注意点 「税金の計算をしてあげる」「具体的な節税のアドバイスをする」などの行為は、無償のボランティアであったとしても、税理士資格がない人が行うと法律違反となってしまいます。 そのため、知人などから税金の相談をされた場合は、「こういう制度があるらしいよ」という一般論を教えるに留め、具体的な計算や判断には踏み込まないようにすることが重要です。 > [!quote] > (※補足) > この記載は、「不安を煽る」、「他人を攻撃する」などの目的ではありません。あくまで知識としての啓蒙です。前提知識として重要だろうと考えました。他者への過剰な指摘等はしないでください。 --- ## [直接税と間接税] 税金は徴収のされ方が大きく2つの区分に分けられます。 - 直接税 税金を負担する人が、自分で直接納めるもの。 (例:所得税、住民税、法人税など) - 間接税 商品などの料金にあらかじめ「システム手数料」として含まれているようなイメージのもの。 (例:消費税、酒税、たばこ税など) 2つに同列に分けられるというよりは、「直接税がメインで、間接税は特殊な仕組みである」というイメージで整理すると分かりやすいかもしれません。 #### ≪ 間接税の具体例リスト ≫ ##### 〈 国税(国の管轄の間接税) 〉 - 消費税: 商品の購入やサービスの利用時にかかる税金。 - 酒税: ビールや日本酒などのお酒を買うときに、価格に含まれている税金。 - たばこ税: たばこを買うときに、価格に含まれている税金。 - 揮発油税(ガソリン税): ガソリンスタンドで給油したときに、価格に含まれている税金。 ##### 〈 地方税(地方の管轄の間接税) 〉 - 地方消費税: お店で払う消費税のうち、一部は地方自治体の取り分として納められています。 - 地方たばこ税: たばこ税のうち、一部は都道府県や市区町村に納められています。 - 入湯税: 温泉施設や旅館で温泉に入った際に、宿泊代などに数百円程度上乗せされている税金。 - ゴルフ場利用税: ゴルフ場を利用した際に、プレイ料金などに含まれている税金。 - 宿泊税(一部の自治体のみ): 東京や京都など、特定の観光都市でホテル等に宿泊した際に上乗せされる税金。 --- ## [多くの人が関係するメジャーな税金(直接税)] 以下は多くの一般的な個人が関係する可能性の高いメジャーなものです。 #### ≪ 多くの人に関係あるベースのもの ≫ ##### 〈 所得税(国税) 〉 個人の収益に対して発生する、税金システムのメインです。 1月1日~12月31日までの収益の合計に対して発生します。 収益の性質によって「~所得」という名称で10個に分類されています。 一般的なアルバイトや会社員の収益は、「給与所得」となります。 ##### 〈 住民税(地方税) 〉 自分が住んでいる自治体に対して発生する、「利用料」のようなものです。 1月1日~12月31日までの収益の合計に対して発生します。 しかし、その計算結果の請求書が手元に届くのは翌年の6月頃になります。 住民税は、「その年の1月1日時点」で住民票がある自治体(都道府県と市区町村の2つ)に対して納めます。 もし年の途中で引っ越しをしたとしても、その年の住民税は「1月1日に住んでいた自治体」に1年分を支払うシステムになっています。 このような全体感のため、住民税は少しだけややこしいです。 一度理解しても再び確認するということがよくあると思います。 #### ≪ 該当する人は発生するもの ≫ ##### 〈 固定資産税(地方税) 〉 土地や家といった「物理資産」を所有していることに対して発生する手数料のようなものです。 「その年の1月1日時点」で所有しているものの価値をベースに計算されます。 所得税や住民税のように「1年間の収益の合計」を計算するのではなく、「1月1日に持っているかどうか」でその年の1年分の固定費が確定するシステムです。 ##### 〈 自動車税(地方税) 〉 自動車を所有していることに対してかかる手数料のようなものです。 「毎年4月1日時点」で車を所有している人に対して、5月頃に1年分の請求書が届く仕様になっています。 エンジンの排気量(マシンのスペック)が大きくなればなるほど、支払う手数料が高くなるという計算ルールが組まれています。 ※各地方自治体によって、支払いの期限は異なる場合があります。 ##### 〈 贈与税(国税) 〉 資産(現金、不動産、株など)を他の人へと移動させたときに発生する手数料のようなものです。 日常のプレゼントや仕送りといった、少額の移動で発生してしまうのは現実的ではないため、基礎控除が大きめに設定されています。 しかし、大きい金額のやり取りなどをする人はあっさりと越えてしまう程度のラインなので注意が必要です。 ※贈与税は受け取った側に対して発生するため、受け取った側が申告する必要があります。 ##### 〈 相続税(国税) 〉 亡くなった人の資産(現金、不動産、株など)を、他の人へと引き継ぐときに発生する手数料のようなものです。 すべての人が払うわけではなく、引き継ぐ資産の合計価値が「国が定めた基準」を超えた場合のみ、税金が発生する仕組みになっています。 死をトリガーにするのは心理的な抵抗や違和感がありますが、これは「大きな視点での経済/社会という枠組み」で考えたときにやむを得ないところがあるようです。 ### 【所得税の課税方法】 所得税の計算を理解する上で、以下の2つの計算方法は非常に重要です。 > [!quote] > 1. 総合課税(そうごうかぜい) > 給料、副業、不動産の家賃収入など、別々のルートから入ってきた収益をひとつに合算し、その合計金額に対して税金を適用します。 > --- > 2. 分離課税(ぶんりかぜい) > 総合課税とは切り離して、「この収益は別枠で計算します」という方式です。 総合課税対象のもの、分離課税対象のものと分かれているということです。 総合課税には「累進課税」という仕組みが採用されています。 収益が多いほど、税金の%が段階的に上がっていく仕組みです。 --- ## [その他補足] ### 【税金の申告】 #### ≪ 税金の申告に係る全体感 ≫ 税金は以下のような全体感で申告します。 > [!quote] > - 計算対象期間:1月1日~12月31日 > > - 申告期間:翌年の2月16日~3月15日 > > ※申告期間は休日の関係で前後することがあります。 > ※前述のように他の方法で算出される税金もありますが、これがメインイベントとなるようなイメージです。 この"税金申告手続き"の事を**確定申告**と言います。 翌年の申告期間が始まるまでの1月1日~2月16日の期間が確定申告のための準備期間のようなイメージです。 この期間中に、細かい税金計算を仕上げていきます。 そのため、この準備期間から申告期間の終わりにかけては税務署や税理士事務所などが非常に混雑します。 - 税金に関する細かい疑問はこの時期以外の平常時に尋ねる。 - 1月になってから一気に税金計算をするようなイメージは避ける。 - 混雑期に依頼/訪問する場合でも最低限のもので済むように年内に要点を整理しておく。 というような配慮が重要です。 #### ≪ 確定申告 補足 ≫ 確定申告は原則として、国民全員が行うものです。 しかし、以下の場合はしなくてもよくなります。 > [!quote] > 1. 年末調整を利用している場合 > 条件を満たしている人は**年末調整**という制度を利用することができます。 > 年末調整とは簡単に言うと、所属している組織が個人の代わりに確定申告を行ってくれるようなイメージです。毎月、「この人の給与金額だったら想定される税金はこれぐらいだろう」という金額が天引きされます。(これを**源泉徴収**と言います)その天引きした金額の合計と、本来の正しい税金額を年末に計算し直して、所属組織が代理で確定申告してくれる、というような全体像です。 > > ※厳密には、年末調整と確定申告は別の制度となります。あくまでイメージの話です。 > > --- > > 2. 一定の条件を満たす場合 > 前述で、全員に自動適用される"基礎控除"というものがありました。例えば、この控除内に収まり、収益が0円となる人は確定申告をしなくても良くなります。 > このように一定の条件を満たす人は確定申告の義務はなくなります。基本的には収益が少ない場合というようなイメージです。 > > ※所得税の確定申告が不要でも、『住民税の申告』は必要である、というようなことがあります。国税と地方税のすべてでのチェックが必要です。 > 「確定申告は国民全員が行うものである。」という前提の上で例外がある、と考えると整理がしやすいです。 上記2つのしなくてもいい場合は、"義務がなくなる"というだけで"してはいけない"ということではないです。 1→例えば、年末調整では対応できない控除があります。(寄付金控除、医療費控除など) これを適用するために自分で年末調整とは別に改めて確定申告を行うというケースがあります。 2→収益がゼロの場合も、ゼロであるという記録を残すために行うというケースがあります。 #### ≪ 確定申告 展開 ≫ 一般的な会社員にとって、年末調整は非常に便利な仕組みです。 しかし、あえて国民全員が確定申告を経験することには、現在の社会システムにおける多くのデメリットを解消し、可能性を広げる包括的なメリットがあります。 > [!quote] > 1. 会社依存からの脱却と、選択肢の拡大 > 日本のビジネス慣習として、「会社に所属していれば安心・安全(面倒な手続きもすべて丸投げできて)」という意識が根強くあります。 > 実際に、「税金の手続きが面倒そう」「よく分からないから怖い」という理由だけで、副業や独立・起業をためらう人は少なくありません。確定申告の仕組みを一度自分で体験し、理解してしまえば、この心理的ハードルは下がり、視野が大きく広がります。 > > 「会社に所属していれば安心・安全」の解釈がねじ曲がっていき、ネガティブで不自然な集団意識が醸成されているという実態もあるのではないかと思います。 > > --- > > 2. リテラシーと当事者意識 > 全自動システムに任せきりにしていると、税金の理解は深まりません。 > 自分で収益や控除を計算し、認識を強めることがリテラシーの向上につながります。 > > 税金はいろいろなものと連動しています。ただ、税に関する知識が身につくというだけではないです。 > > - 政治/金融/経済 > - 日本という国家/日本と世界 > - 「公と民」という意識 > - 「個人と法人」という区切り ##### 〈 紙とハンコからデジタルへ 〉 かつて、税務全般は紙とハンコをメインにして回っていました。 デジタル運用がメインレベルへと移行したのは2021年~2022年頃です。 国の処理システムがデジタル化し、申告は「e-Tax(電子申告)」で、それに合わせて個人/法人の管理運用もデジタルツールへ移り変わる、という流れが起きています。 紙とハンコの時代に国民全員が税務署に申告をしに行ったり、質問をしに行ったりすれば現場がパンクします。 現在はデジタル化により環境が整ってきている状況と考えることができます。 ### 【税金の性質】 ※筆者の考えです 税金は"みんなのお金"というニュアンスのものではありません。 税金は徴収された時点で、国の収益として精算されます。 "みんなのお金"を預かって運用しているわけではないです。 そのため、「税金を徴収すること」 と 「それが正しく使われているか(不正に使われていないか)」 は分けて考えないといけないです。 例えば、行政系の組織などで不正な使われ方をしたとします。 問題があり、是正されるべき対象ですが、それを「みんなのお金を盗った」という批判の仕方をするのは良くないと考えます。これは、質の高い議論を妨げる要因です。 > [!quote] > ※補足コラム > #### ≪ 問われるべきは何か ≫ > > """ > > 1. 「民間の企業などで不正な使われ方をした」 (ミクロ) > → > その組織のガバナンス(管理体制)が機能不全を起こしている。 > ⇩ > それが1つの評価指標となり、 > 資本の引き上げ/提携の解除/社員の流出と求心力の低下/顧客の不買 など > --- > 2. 「行政系の組織などで不正な使われ方をした」(マクロ) > → > 国家というシステムを担う組織のガバナンス(管理体制)が機能不全を起こしている。 > ⇩ > それが1つの評価指標となるが、民間企業と同様の流れは成り立たない。 > > """ > ⇩ > > """ > > - 問題の温床化の懸念 > → > 自然修正がなされずに、温床化する。 > --- > - 波及の懸念 > → > 民間企業(ミクロ)とは違い、国(マクロ)という社会の「基軸の構造」にほころびがあると、そこを起点としてあらゆる問題が次々と噴出してくる。 > --- > - 選挙のリスク > → > 自然修正されないシステムだからこそ、本来は選挙による修正が重要である。 > しかし、映える不正があった場合、それに便乗したネガティブな候補者が当選して政治に入り込むリスクが発生する。 > (※その場の勢いで当選した候補者は、本当にそれを運営していく信用に足る人物なのかという問題。具体的なシチュエーション例として、不正の内容によるが、「本当にそれをメインテーマとして扱っていくべきなのか、論点がずれてしまっていないか」などの問題。) > > """ > #### ≪ 他の弊害 ≫ 質の高い議論が妨げられると、 「見栄えや体裁を重視した、本質的見立てから大きく離れたもの」が横行していくリスクがあります。 ### 【タックスヘイブン】 タックスヘイブンとは法人税や所得税が「ゼロ/極めて低い」国や地域の事です。 例1) | | 国A(税率30%) | タックスヘイブン(税率0%) | | :---------- | :-------- | :------------- | | **収益** | 1億円 | 1億円 | | **税金** | 3,000万円 | 0円 | | **手元に残る金額** | 7,000万円 | 1億円 | このような「国や地域」間による税率の差を利用した展開がビジネスや個人の動きとしてあります。 3,000万円という金額も大きいですが、さらに収益が大きい場合を想定するとどうでしょうか。 例2) | | 国A(税率30%) | タックスヘイブン(税率0%) | | :---------- | :-------- | :------------- | | **収益** | 1,000億円 | 1,000億円 | | **税金** | 300億円 | 0円 | | **手元に残る金額** | 700億円 | 1,000億円 | 同じ30%でもここまで印象が変わります。 タックスヘイブンはポジティブ方向にも、ネガティブ方向にも捉えられることがあり、議論の対象です。 税務系の知識として覚えておくと視野が広がります。 ### 【手段としての税】 国家が税金を特定の方向へと促す手段として活用するという側面があります。 国が減らしたい行動には高い税率を設け、増やしたい行動には%を減らすというようなイメージです。 #### ≪ ブレーキとしての税 ≫ 個人の自由な行動に任せていると、システム全体に悪影響を及ぼす行動があります。そこに高い税率を掛けることで、その行動にブレーキを踏ませます。 ##### 〈 たばこ税 〉 たばこは販売価格の50%~60%が間接税による税金です。 たばこは高い健康リスクがあり、受動喫煙などで周囲に害を及ぼす観点も懸念されています。 単なる嗜好品からお金を徴収しているというだけでなく、こうした明確な健康被害(=将来、国のシステムが負担する医療費の増大や、労働力・生産性の損失)を抑制するためのブレーキとしてデザインされています。 法律で完全に禁止するのではなく、あえて高いコストを設定することで、個人の意思に委ねつつ抑制を試みている点がポイントです。 「対個人」もそうですが、マクロ的な視点で大きな効果が期待できるというイメージです。 ちなみに海外では、砂糖を多く含む飲料に対して課税する「砂糖税(ソーダ税)」を導入している国も存在します。 --- 公開:2026-07 --- > **Copy area** 記事全文をワンクリックでコピーできます。 > [!quote]- クリックして展開 > ````markdown > > # 〇4. 税金とは何か > > > [!example] NOTICE > > - この記事は、「一般人が大枠を理解するための補助」というニュアンスで作成されています。 > > 大枠の正確性には努めていますが、細かい部分で正確な税務用語ではない等の可能性があります。 > > 例えば、「お金が入ってくること=収益」と表現しています。 > > 正確な知識は、税務署や税理士など専門の方に確認してください。 > > > > > > ## [税金とは何か] > > 税金とは、国の収益です。 > > この収益を活動資金として、社会の様々なシステムを運営しています。 > > 一般人目線だと、"日本という国のサービスを利用するための手数料"と考えると分かりやすいです。 > > > > [!quote] > > 1. 生活とインフラ > > > > - 蛇口から飲めるレベルのきれいな水が出る > > 浄水場から家庭までの水道管ネットワークの維持管理。 > > > > - ゴミを出したら回収される > > ゴミ収集システムと焼却施設の稼働。 > > > > - 徒歩/自転車/車 で安全に移動できる > > 平坦なアスファルトの道路、トンネルや橋の整備。 > > --- > > 1. 安全と信用 > > > > - 良好な治安 > > 警察などの連携による治安維持システム。 > > > > - ルールの適用 > > 法的に解決できる「裁判所・法律」の運用。 > > > > - 経済活動のバックアップ > > 「1円は1円の価値がある」「1キログラムはどこで量っても1キログラムである」というような、社会の根底の維持。 > > (※これがしっかりしていないと、「仕事をしても真っ当な収益が発生しない」など、経済が成り立たない) > > --- > > 1. 防災と衛生 > > > > - 公衆衛生と食品安全 > > スーパーに並ぶ肉や魚が安全であるための検査体制や、感染症対策。 > > (※世界ではこの対応が十分でない国が現代でもあります。) > > > > - 気象観測と災害予測 > > 常に気象衛星やレーダーを稼働させ、台風や地震の情報をいち早く届けるシステム。 > > > > - 消防と救急 > > 万が一の火災や急病の際に、無料で専門家が駆けつけてくれるセーフティネット。 > > --- > > 1. 教育と安定 > > > > - 義務教育システム > > 誰もが文字を読み、計算ができ、最低限の社会ルールを理解できる「共通の土台」を作る。 > > > > - 社会保障(セーフティネット) > > 生活保護などの仕組みがあることで、極端な貧困による治安の悪化(スラム化など)を防ぎ、社会全体の安定を保つ。 > > > 税金がなければ、上記のようなものの運営が十分にできなくなります。 > > また、具体的なものだけではなくて、雰囲気のような抽象的なものも含まれると考えます。 > > 例えば、職務に当たる公務員には『一定のモラル、公平性、コンプライアンス』が求められるという前提があると思います。(※個々人による程度の差はあります) > > > --- > > ## [税金の基本ルール] > > 税金は原則として発生した収益に対して%で発生します。 > > > > [!quote] > > 例1)収益が100万円に対して、20%の税金が発生する。 > > > > - 100万円×20%=20万円 > > →20万円の税金が発生する。 > > ⇩ > > 収益100万円-20万円の税金=80万円 > > →80万円が手元に残る金額 > > --- > > 例2)収益が0円に対して、20%の税金が発生する。 > > > > - 0円×20%=0円 > > →0円の税金が発生する。 > > > つまり、税金が徴収されることによってマイナスになることは基本的にないということです。 > > ### 【税金の徴収によってマイナスになるケース】 > > 理論的にマイナスになっているわけではないですが、全体像の理解をしていないと支払う現金がないという事態に陥ることがあります。 > > > [!quote] > > 1. タイムラグによる徴収 > > 税金の中には、「去年の収益」をベースに「今年」請求されるものがあります。(住民税など) > > > > インターネットが発達しておらず、個人が税金の知識にアクセスしにくかった時代には、大きく発生した収益を「すべて自分の手元に残るお金だ」と解釈して使い切ってしまい、翌年の高額な税金請求に対して「借り入れをして支払う」というケースが頻発していました。 > > (※全体像の理解をしていないと現在でも起こり得ます) > > --- > > 2. 資産に対する課税 > > 現在の収入が0円でも、持っている「資産の価値」に対して%が掛かるため、マイナスになるケース。 > > 税金は現金だけでなく、受け取った物や、所有する資産の「価値」を換算したものも対象となります。 > > > > -固定資産税や自動車税:収入がなくても、所有しているだけで毎年発生します。 > > -相続税 :親から「現金」ではなく「価値の高い土地や家」だけを相続した場合、高額な税金だけが掛かり、払う現金がないため借入をしたり土地を手放したりするケースがあります。 > > (※東京都心部などでは一般的な持ち家でも、相続した結果、数十万円〜数百万単位の納付を求められるということがあるようです。) > > --- > > 1. (※事業者向け)消費税分の金額の不足 > > 事業者は消費税として国に納める分を計算して価格を設定します。この消費税分を事業の運転資金として使用していった結果、納税時に支払えなくなるというケースです。 > > (※これに関係する実態は、組織の規模などによってもニュアンスが異なると思います。) > > #### ≪ 簡易計算 ≫ > > 税金の計算は複雑に見えますが、整理すると簡単な計算式で表すことができます。 > > 例えば、税金が20%かかる場合、手元に残るのは80%です。 > そのため、 > > 1. 「100万円 × 20% = 20万円の税金」 > 2. 「100万円 − 20万円 = 80万円の手取り」 > > と2回計算しなくても、「収益 × 0.8」をすれば、手元に残る金額が算出できます。 > (※80%=0.8) > > > [!quote] > > 例)日本の株式投資の利益にかかる税金(20.315%) > > > > - 100% − 20.315% = 79.685%(0.79685) > > ⇩ > > つまり、「収益 × 0.79685」が純粋な利益です。 > > 基本的な算数ですが、多様なことに応用できるので覚えておいた方が良いと思います。 > > > [!example] NOTICE > > - 確定申告時など、正確な税額を算出する場合は、正しい手順で行わなければいけません。 > > --- > ## [控除とは何か] > > 税金の話では、控除という言葉が必ず出てきます。(こうじょ) > > 控除は日本語の意味としては"引く"です。 > それ以外に深い意味はないと思われます。 > > 税金の話における「控除」とは、条件を満たすと、収益から一定の金額を引くことができる制度のことです。 > > > [!quote] > > #### ≪ 収益が500万円、税率が20%の場合 ≫ > > > > - 控除がない場合 > > > > 500万円×20%=100万円 > > →100万円の税金が発生する。 > > ⇩ > > 500万円-100万円=400万円 > > →400万円が手元に残る金額 > > --- > > - 50万円の控除が適用できる場合 > > > > **450万**×20%=90万円 > > →90万円の税金が発生する。 > > ⇩ > > 500万円-90万円=410万円 > > →410万円が手元に残る金額(手元に残る金額に10万円の違いが発生している。) > > --- > > > > ※正確な税務では、入ってきた収益から「必要経費」を引いて「所得」を算出し、そこから控除を適用します。 > > 控除は「割引オプション」と考えると分かりやすいです。 > > 実際に計算する際も、控除を最初から織り込んで計算するのではなくて、「割引オプション」のニュアンスのイメージで、 > > 「本来はこれくらいかかるものが控除を適用する事によってこれだけ低くなる」という考え方をしていくと、税についての理解が深まります。 > > 特に、法人でビジネスを行うにあたってはこの視点は重要だと考えます。 > > #### ≪ 控除の解釈 ≫ > > 「控除を割引オプションとして捉える」、とした場合、以下のような観点についても理解が深まるのではないかと考えます。 > > - 政治の手段としての控除 > 国が経済的な理由で、「この産業を伸ばしたい」「賃上げをしてほしい」「家を買ってほしい」などと考えたとき、直接お金を配る(補助金)よりも、「この行動をとったら税金の割引オプション(控除)を与えます」とする方が、システムとして効率が良いと推測されます。 > > - 節税と控除 > 「節税」というと、細かく切り詰めるようなイメージや、裏技を使うようなイメージになりがちではないかと思います。「控除が割引オプションである」という解釈で俯瞰していくと、より立体的な見方ができます。また、節税が、国の方針とセットで提供されていることも多く、全体のルート感が見えてきやすいという面もあります。 > > ### 【控除の種類】 > > 控除は自動的に適用されるものと、任意で適用するものの2種類があります。 > 以下が一例です。 > > #### ≪ 自動適用される控除 ≫ > > - 基礎控除(きそこうじょ) > すべての人に与えられる、ベースとなるものです。 > > - 給与所得控除(きゅうよしょとくこうじょ) > 給与を受け取る会社員に自動で適用されるものです。 > > #### ≪ 任意で適用する控除(自己申告) ≫ > > - 医療費控除 (いりょうひこうじょ) > 一定金額以上の医療費があることで適用が可能になります。通院履歴や領収書が必要ですが、最近はマイナンバーと連携してこれらの情報が取得しやすくなっています。 > > - 寄付金控除(きふきんこうじょ) > 指定の自治体に寄付をした場合に使えるものです。証明書が必要だったり、一定の条件があります。 > > - 扶養控除 / 配偶者控除(ふよう/はいぐうしゃこうじょ) > どちらも一定の条件が必要で、変更があった場合は更新の申請が必要です。 > > --- > ## [税金の管理区分] > > 税金は国が一括で管理しているわけではありません。 > 国と地方で区分が分かれています。 > > > [!quote] > > - 国税 > > →日本という国が管理、徴収します。(例:所得税、法人税など) > > 日本に住んでいる人全員が納めます。 > > > > - 地方税 > > →都道府県や市区町村が管理、徴収します。(例:住民税、固定資産税など) > > 自分が住んでいる自治体に納めます。 > > 「税金」と一括りで表現されがちですが、明確に分かれています。 > > #### ≪ 税金に関する問い合わせ先 ≫ > > 何か疑問があった時に、一般人からすると、とりあえず「税務署」に行けばいいと考えてしまいがちではないかと思います。 > > しかし、税務署は国の管轄になります。 > > そのため、税務署に地方税の質問をしに行っても、回答がもらえない事があります。 > 税務署職員は、「知識としては十分に理解している可能性があるが、管轄が違うため回答できない」というような状態です。 > > 自分の疑問が「国税の管轄」か「地方税の管轄」かというのを事前にチェックすることが大事です。 > > 地方税については、 > > 1. 市区町村の窓口(市役所・区役所・町村役場) > 2. 都道府県の窓口(県税事務所・都税事務所など) > > とさらに分かれています。 > > 一般個人であれば、市区町村の窓口で解決する内容であることがほとんどだと思いますが、 > 事業を行っている人(法人や個人事業主)の場合は、都道府県の窓口で確認しなければいけないこともあるようです。 > > 昨今はインターネット上の情報が充実していて、一般的な疑問であればWebサイトの閲覧で解決するケースも多くなっていると思います。 > > #### ≪ 税理士 ≫ > > 税理士とは、税に関する業務を行う国家資格です。 > 税理士は国税と地方税の両方が管轄です。 > > 「税務署や市区町村の窓口などで行う一般的な質問」で解決しない込み入った状態であるときは税理士に依頼するのがいいかもしれません。 > > > [!quote] > > ※税理士法という法律があり、例えば、税理士資格を持たない者が以下の行為を行うことが禁止されています。 > > > > 1. 税務代理 > > 税務作業を納税者に代わって行うこと。 > > > > 2. 税務書類の作成 > > 公式な税務書類を納税者に代わって作成すること。 > > > > 3. 税務相談 > > 税に関する具体的な相談を受けること。 > > - 知人間での税務相談の注意点 > 「税金の計算をしてあげる」「具体的な節税のアドバイスをする」などの行為は、無償のボランティアであったとしても、税理士資格がない人が行うと法律違反となってしまいます。 > > そのため、知人などから税金の相談をされた場合は、「こういう制度があるらしいよ」という一般論を教えるに留め、具体的な計算や判断には踏み込まないようにすることが重要です。 > > > [!quote] > > (※補足) > > この記載は、「不安を煽る」、「他人を攻撃する」などの目的ではありません。あくまで知識としての啓蒙です。前提知識として重要だろうと考えました。他者への過剰な指摘等はしないでください。 > > --- > ## [直接税と間接税] > > 税金は徴収のされ方が大きく2つの区分に分けられます。 > > - 直接税 > 税金を負担する人が、自分で直接納めるもの。 > (例:所得税、住民税、法人税など) > > - 間接税 > 商品などの料金にあらかじめ「システム手数料」として含まれているようなイメージのもの。 > (例:消費税、酒税、たばこ税など) > > 2つに同列に分けられるというよりは、「直接税がメインで、間接税は特殊な仕組みである」というイメージで整理すると分かりやすいかもしれません。 > > #### ≪ 間接税の具体例リスト ≫ > > > ##### 〈 国税(国の管轄の間接税) 〉 > > - 消費税: 商品の購入やサービスの利用時にかかる税金。 > > - 酒税: ビールや日本酒などのお酒を買うときに、価格に含まれている税金。 > > - たばこ税: たばこを買うときに、価格に含まれている税金。 > > - 揮発油税(ガソリン税): ガソリンスタンドで給油したときに、価格に含まれている税金。 > > ##### 〈 地方税(地方の管轄の間接税) 〉 > > - 地方消費税: お店で払う消費税のうち、一部は地方自治体の取り分として納められています。 > > - 地方たばこ税: たばこ税のうち、一部は都道府県や市区町村に納められています。 > > - 入湯税: 温泉施設や旅館で温泉に入った際に、宿泊代などに数百円程度上乗せされている税金。 > > - ゴルフ場利用税: ゴルフ場を利用した際に、プレイ料金などに含まれている税金。 > > - 宿泊税(一部の自治体のみ): 東京や京都など、特定の観光都市でホテル等に宿泊した際に上乗せされる税金。 > > --- > ## [多くの人が関係するメジャーな税金(直接税)] > > 以下は多くの一般的な個人が関係する可能性の高いメジャーなものです。 > > #### ≪ 多くの人に関係あるベースのもの ≫ > > > ##### 〈 所得税(国税) 〉 > > 個人の収益に対して発生する、税金システムのメインです。 > 1月1日~12月31日までの収益の合計に対して発生します。 > 収益の性質によって「~所得」という名称で10個に分類されています。 > 一般的なアルバイトや会社員の収益は、「給与所得」となります。 > > > ##### 〈 住民税(地方税) 〉 > > 自分が住んでいる自治体に対して発生する、「利用料」のようなものです。 > 1月1日~12月31日までの収益の合計に対して発生します。 > しかし、その計算結果の請求書が手元に届くのは翌年の6月頃になります。 > 住民税は、「その年の1月1日時点」で住民票がある自治体(都道府県と市区町村の2つ)に対して納めます。 > もし年の途中で引っ越しをしたとしても、その年の住民税は「1月1日に住んでいた自治体」に1年分を支払うシステムになっています。 > このような全体感のため、住民税は少しだけややこしいです。 > 一度理解しても再び確認するということがよくあると思います。 > > #### ≪ 該当する人は発生するもの ≫ > > > ##### 〈 固定資産税(地方税) 〉 > > 土地や家といった「物理資産」を所有していることに対して発生する手数料のようなものです。 > 「その年の1月1日時点」で所有しているものの価値をベースに計算されます。 > 所得税や住民税のように「1年間の収益の合計」を計算するのではなく、「1月1日に持っているかどうか」でその年の1年分の固定費が確定するシステムです。 > > ##### 〈 自動車税(地方税) 〉 > > 自動車を所有していることに対してかかる手数料のようなものです。 > 「毎年4月1日時点」で車を所有している人に対して、5月頃に1年分の請求書が届く仕様になっています。 > エンジンの排気量(マシンのスペック)が大きくなればなるほど、支払う手数料が高くなるという計算ルールが組まれています。 > > ※各地方自治体によって、支払いの期限は異なる場合があります。 > > ##### 〈 贈与税(国税) 〉 > > 資産(現金、不動産、株など)を他の人へと移動させたときに発生する手数料のようなものです。 > 日常のプレゼントや仕送りといった、少額の移動で発生してしまうのは現実的ではないため、基礎控除が大きめに設定されています。 > しかし、大きい金額のやり取りなどをする人はあっさりと越えてしまう程度のラインなので注意が必要です。 > > ※贈与税は受け取った側に対して発生するため、受け取った側が申告する必要があります。 > > ##### 〈 相続税(国税) 〉 > > 亡くなった人の資産(現金、不動産、株など)を、他の人へと引き継ぐときに発生する手数料のようなものです。 > すべての人が払うわけではなく、引き継ぐ資産の合計価値が「国が定めた基準」を超えた場合のみ、税金が発生する仕組みになっています。 > 死をトリガーにするのは心理的な抵抗や違和感がありますが、これは「大きな視点での経済/社会という枠組み」で考えたときにやむを得ないところがあるようです。 > > > ### 【所得税の課税方法】 > > 所得税の計算を理解する上で、以下の2つの計算方法は非常に重要です。 > > > [!quote] > > 4. 総合課税(そうごうかぜい) > > 給料、副業、不動産の家賃収入など、別々のルートから入ってきた収益をひとつに合算し、その合計金額に対して税金を適用します。 > > --- > > 5. 分離課税(ぶんりかぜい) > > 総合課税とは切り離して、「この収益は別枠で計算します」という方式です。 > > 総合課税対象のもの、分離課税対象のものと分かれているということです。 > > 総合課税には「累進課税」という仕組みが採用されています。 > 収益が多いほど、税金の%が段階的に上がっていく仕組みです。 > > --- > ## [その他補足] > > ### 【税金の申告】 > > #### ≪ 税金の申告に係る全体感 ≫ > > 税金は以下のような全体感で申告します。 > > > [!quote] > > - 計算対象期間:1月1日~12月31日 > > > > - 申告期間:翌年の2月16日~3月15日 > > > > ※申告期間は休日の関係で前後することがあります。 > > ※前述のように他の方法で算出される税金もありますが、これがメインイベントとなるようなイメージです。 > > この"税金申告手続き"の事を**確定申告**と言います。 > > 翌年の申告期間が始まるまでの1月1日~2月16日の期間が確定申告のための準備期間のようなイメージです。 > この期間中に、細かい税金計算を仕上げていきます。 > > そのため、この準備期間から申告期間の終わりにかけては税務署や税理士事務所などが非常に混雑します。 > > - 税金に関する細かい疑問はこの時期以外の平常時に尋ねる。 > - 1月になってから一気に税金計算をするようなイメージは避ける。 > - 混雑期に依頼/訪問する場合でも最低限のもので済むように年内に要点を整理しておく。 > > というような配慮が重要です。 > > > #### ≪ 確定申告 補足 ≫ > > 確定申告は原則として、国民全員が行うものです。 > > しかし、以下の場合はしなくてもよくなります。 > > > [!quote] > > 1. 年末調整を利用している場合 > > 条件を満たしている人は**年末調整**という制度を利用することができます。 > > 年末調整とは簡単に言うと、所属している組織が個人の代わりに確定申告を行ってくれるようなイメージです。毎月、「この人の給与金額だったら想定される税金はこれぐらいだろう」という金額が天引きされます。(これを**源泉徴収**と言います)その天引きした金額の合計と、本来の正しい税金額を年末に計算し直して、所属組織が代理で確定申告してくれる、というような全体像です。 > > > > ※厳密には、年末調整と確定申告は別の制度となります。あくまでイメージの話です。 > > > > --- > > > > 2. 一定の条件を満たす場合 > > 前述で、全員に自動適用される"基礎控除"というものがありました。例えば、この控除内に収まり、収益が0円となる人は確定申告をしなくても良くなります。 > > このように一定の条件を満たす人は確定申告の義務はなくなります。基本的には収益が少ない場合というようなイメージです。 > > > > ※所得税の確定申告が不要でも、『住民税の申告』は必要である、というようなことがあります。国税と地方税のすべてでのチェックが必要です。 > > > > 「確定申告は国民全員が行うものである。」という前提の上で例外がある、と考えると整理がしやすいです。 > > 上記2つのしなくてもいい場合は、"義務がなくなる"というだけで"してはいけない"ということではないです。 > > 1→例えば、年末調整では対応できない控除があります。(寄付金控除、医療費控除など) > これを適用するために自分で年末調整とは別に改めて確定申告を行うというケースがあります。 > > 2→収益がゼロの場合も、ゼロであるという記録を残すために行うというケースがあります。 > > #### ≪ 確定申告 展開 ≫ > > 一般的な会社員にとって、年末調整は非常に便利な仕組みです。 > しかし、あえて国民全員が確定申告を経験することには、現在の社会システムにおける多くのデメリットを解消し、可能性を広げる包括的なメリットがあります。 > > > [!quote] > > 1. 会社依存からの脱却と、選択肢の拡大 > > 日本のビジネス慣習として、「会社に所属していれば安心・安全(面倒な手続きもすべて丸投げできて)」という意識が根強くあります。 > > 実際に、「税金の手続きが面倒そう」「よく分からないから怖い」という理由だけで、副業や独立・起業をためらう人は少なくありません。確定申告の仕組みを一度自分で体験し、理解してしまえば、この心理的ハードルは下がり、視野が大きく広がります。 > > > > 「会社に所属していれば安心・安全」の解釈がねじ曲がっていき、ネガティブで不自然な集団意識が醸成されているという実態もあるのではないかと思います。 > > > > --- > > > > 2. リテラシーと当事者意識 > > 全自動システムに任せきりにしていると、税金の理解は深まりません。 > > 自分で収益や控除を計算し、認識を強めることがリテラシーの向上につながります。 > > > > 税金はいろいろなものと連動しています。ただ、税に関する知識が身につくというだけではないです。 > > > > - 政治/金融/経済 > > - 日本という国家/日本と世界 > > - 「公と民」という意識 > > - 「個人と法人」という区切り > > ##### 〈 紙とハンコからデジタルへ 〉 > > かつて、税務全般は紙とハンコをメインにして回っていました。 > デジタル運用がメインレベルへと移行したのは2021年~2022年頃です。 > > 国の処理システムがデジタル化し、申告は「e-Tax(電子申告)」で、それに合わせて個人/法人の管理運用もデジタルツールへ移り変わる、という流れが起きています。 > > 紙とハンコの時代に国民全員が税務署に申告をしに行ったり、質問をしに行ったりすれば現場がパンクします。 > 現在はデジタル化により環境が整ってきている状況と考えることができます。 > > > ### 【税金の性質】 ※筆者の考えです > > 税金は"みんなのお金"というニュアンスのものではありません。 > > 税金は徴収された時点で、国の収益として精算されます。 > "みんなのお金"を預かって運用しているわけではないです。 > > そのため、「税金を徴収すること」 と 「それが正しく使われているか(不正に使われていないか)」 > は分けて考えないといけないです。 > > 例えば、行政系の組織などで不正な使われ方をしたとします。 > > 問題があり、是正されるべき対象ですが、それを「みんなのお金を盗った」という批判の仕方をするのは良くないと考えます。これは、質の高い議論を妨げる要因です。 > > > [!quote] > > ※補足コラム > > #### ≪ 問われるべきは何か ≫ > > > > """ > > > > 1. 「民間の企業などで不正な使われ方をした」 (ミクロ) > > → > > その組織のガバナンス(管理体制)が機能不全を起こしている。 > > ⇩ > > それが1つの評価指標となり、 > > 資本の引き上げ/提携の解除/社員の流出と求心力の低下/顧客の不買 など > > --- > > 2. 「行政系の組織などで不正な使われ方をした」(マクロ) > > → > > 国家というシステムを担う組織のガバナンス(管理体制)が機能不全を起こしている。 > > ⇩ > > それが1つの評価指標となるが、民間企業と同様の流れは成り立たない。 > > > > """ > > ⇩ > > > > """ > > > > - 問題の温床化の懸念 > > → > > 自然修正がなされずに、温床化する。 > > --- > > - 波及の懸念 > > → > > 民間企業(ミクロ)とは違い、国(マクロ)という社会の「基軸の構造」にほころびがあると、そこを起点としてあらゆる問題が次々と噴出してくる。 > > --- > > - 選挙のリスク > > → > > 自然修正されないシステムだからこそ、本来は選挙による修正が重要である。 > > しかし、映える不正があった場合、それに便乗したネガティブな候補者が当選して政治に入り込むリスクが発生する。 > > (※その場の勢いで当選した候補者は、本当にそれを運営していく信用に足る人物なのかという問題。具体的なシチュエーション例として、不正の内容によるが、「本当にそれをメインテーマとして扱っていくべきなのか、論点がずれてしまっていないか」などの問題。) > > > > """ > > > > #### ≪ 他の弊害 ≫ > > 質の高い議論が妨げられると、 > > 「見栄えや体裁を重視した、本質的見立てから大きく離れたもの」が横行していくリスクがあります。 > > ### 【タックスヘイブン】 > > タックスヘイブンとは法人税や所得税が「ゼロ/極めて低い」国や地域の事です。 > > 例1) > > | | 国A(税率30%) | タックスヘイブン(税率0%) | > | :---------- | :-------- | :------------- | > | **収益** | 1億円 | 1億円 | > | **税金** | 3,000万円 | 0円 | > | **手元に残る金額** | 7,000万円 | 1億円 | > > このような「国や地域」間による税率の差を利用した展開がビジネスや個人の動きとしてあります。 > > 3,000万円という金額も大きいですが、さらに収益が大きい場合を想定するとどうでしょうか。 > > 例2) > > | | 国A(税率30%) | タックスヘイブン(税率0%) | > | :---------- | :-------- | :------------- | > | **収益** | 1,000億円 | 1,000億円 | > | **税金** | 300億円 | 0円 | > | **手元に残る金額** | 700億円 | 1,000億円 | > > 同じ30%でもここまで印象が変わります。 > > タックスヘイブンはポジティブ方向にも、ネガティブ方向にも捉えられることがあり、議論の対象です。 > 税務系の知識として覚えておくと視野が広がります。 > > ### 【手段としての税】 > > 国家が税金を特定の方向へと促す手段として活用するという側面があります。 > > 国が減らしたい行動には高い税率を設け、増やしたい行動には%を減らすというようなイメージです。 > > #### ≪ ブレーキとしての税 ≫ > > 個人の自由な行動に任せていると、システム全体に悪影響を及ぼす行動があります。そこに高い税率を掛けることで、その行動にブレーキを踏ませます。 > > ##### 〈 たばこ税 〉 > > たばこは販売価格の50%~60%が間接税による税金です。 > > たばこは高い健康リスクがあり、受動喫煙などで周囲に害を及ぼす観点も懸念されています。 > 単なる嗜好品からお金を徴収しているというだけでなく、こうした明確な健康被害(=将来、国のシステムが負担する医療費の増大や、労働力・生産性の損失)を抑制するためのブレーキとしてデザインされています。 > > 法律で完全に禁止するのではなく、あえて高いコストを設定することで、個人の意思に委ねつつ抑制を試みている点がポイントです。 > 「対個人」もそうですが、マクロ的な視点で大きな効果が期待できるというイメージです。 > > ちなみに海外では、砂糖を多く含む飲料に対して課税する「砂糖税(ソーダ税)」を導入している国も存在します。 > > ```` --- > **Navigation** **ページ移動:** * [[〇3. 情報と通信技術の遷移|前の記事へ]] * [[〇5. ふるさと納税と寄附|次の記事へ]] * [[03. 〇カテゴリ|〇.0へ戻る]] * [[01. トップページ|トップページへ戻る]]